自転車配達員が坂道の信号待ちで守る法令と違反リスク

法令

坂道の赤信号。ほんの数十センチの停止線越えや、じわりとした後退が事故と切符の入口になります。特に自転車の場合はそのあたりの認識があいまいなので違反の対象となりやすくもあります。そこで自転車配達員が守るべき法令などをまとめました。

要点
  • 赤信号は「停止位置を越えて進行してはならない」。停止線があれば「その直前」で停止。横断歩道や自転車横断帯をふさがない。(e-Gov 法令検索)
  • 自転車は軽車両。車道通行が原則。車両通行帯が無い道路は左側端、ある道路は最左通行帯で整列。(e-Gov 法令検索)
  • 自転車横断帯が「ある場所の付近」は横断帯を通行する。(内閣府ホームページ)
  • 夜間や暗所では前照灯等の灯火義務。無灯火は違法。(内閣府ホームページ)
  • 並進は原則禁止(標識で許可された区間を除く)。(内閣府ホームページ)
  • 反則金制度(青切符)は2026年4月1日施行予定。現時点は原則刑事罰で処理。(npa.go.jp)
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該当条文

テーマ 要旨 主な根拠
信号遵守 信号機の表示に従う義務。 道路交通法7条。(e-Gov 法令検索)
停止位置 停止位置は「停止線の直前」など。赤信号で越えて進行してはならない。 施行令 別表備考(停止位置)、同令各条。(e-Gov 法令検索)
停止線標示の意味 停止線は車両が停止すべき位置を示す。 標識等命令 406の2。(e-Gov 法令検索)
左側端・最左通行帯 車道通行が原則。通行帯無は左側端、通行帯有は最左通行帯。 道路交通法17条,18条,20条。(e-Gov 法令検索)
路側帯の方向 路側帯は左側部分のみ通行可。 道路交通法17条の2。(e-Gov 法令検索)
自転車横断帯 付近に自転車横断帯があるときは同横断帯を通行。 道路交通法63条の6, 63条の7。(内閣府ホームページ)
夜間灯火 夜間等は灯火を点ける義務。 道路交通法52条, 施行令18条。(内閣府ホームページ)
並進の原則禁止 並進は原則禁止。 道路交通法19条, 63条の5。(内閣府ホームページ)

罰則・リスク(代表例)

行為 典型的な法令・枠組み 反則金の目安/刑事罰
信号無視(赤で進行) 道路交通法7条違反 現在は原則「3月以下の懲役又は5万円以下の罰金」。反則金は2026-04-01導入予定。(警視庁)
停止線越え(赤信号時) 施行令の停止位置規定に基づく信号遵守義務違反 同上。(e-Gov 法令検索)
逆走(右側通行) 道路交通法17条違反 3月以下の懲役又は5万円以下の罰金。(e-Gov 法令検索)
並進 道路交通法19条違反 2万円以下の罰金又は科料。(内閣府ホームページ)
無灯火 道路交通法52条, 施行令18条 5万円以下の罰金。(内閣府ホームページ)
制動装置不良等 施行規則等による基準不適合 5万円以下の罰金等。反則金は2026-04-01以降に区分設定予定。(e-Gov 法令検索)

注記:自転車への交通反則通告制度(青切符)は令和8年4月1日施行予定。各違反の反則金額は政令により区分が示されている。施行前は原則として刑事手続。(npa.go.jp)

実際にあった事例

状況 経過 違反 その他
坂道下の交差点付近(横浜市西区) 下り坂で速度が上がった自転車が交差点手前で転倒し死亡。高架支柱等で見通し不良も指摘。 個別事案だが、安全運転義務や減速不履行が争点。 坂道と交差点が重なる地点は転倒・衝突リスクが高い。毎日新聞報道。(毎日新聞)
歩道上の信号待ち(裁判例要旨) 歩道で信号待ちの自転車が前進し、前方通過中の自転車と衝突。 歩道内通行・進路変更時の安全不確認。 過失割合は10対90と判断された裁判例の要旨紹介。(自転車事故相談窓口)

出典

  • e-Gov 法令検索:道路交通法(7条, 17条, 18条, 20条, 52条, 63条の6, 63条の7, 19条)。(e-Gov 法令検索)
  • 道路交通法施行令:停止位置の定義ほか。(e-Gov 法令検索)
  • 道路標識, 区画線及び道路標示に関する命令:停止線(406の2)。(e-Gov 法令検索)
  • 内閣府交通安全対策「自転車の安全利用の促進について」:横断帯等の解説と条番号。(内閣府ホームページ)
  • 警視庁「道路交通法の改正について(自転車の青切符)」:施行期日。(警視庁)
  • 警察庁リーフ「自転車への交通反則制度の導入」(令和6年法第34号の施行案内)。(npa.go.jp)
  • 毎日新聞「坂道下の交差点で自転車転倒…横浜市」報道。(毎日新聞)
  • 自転車事故裁判例要旨(歩道上の信号待ちでの前進衝突)。(自転車事故相談窓口)

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