坂の頂上付近や急な下りは、視界の途切れと荷重移動で制動距離が伸びる高リスク区間。125cc超の自動二輪は速度域と慣性が大きく、無理な追越しや急制動の誤りが重大事故に直結するので、法では「追越し禁止」「徐行」「車間距離保持」「急ブレーキ禁止」「安全運転義務」を規定しています。
そのようなことをまとめました。
要点
- 上り坂の頂上付近・急な下り坂は徐行対象。「徐行=直ちに停止できる速度」で進行する。e-Gov
- 同区間は追越し禁止の典型。側方通過で前に出る行為も「追越し」に含まれる。e-Gov
- 前車急停止に備え、状況に応じた十分な車間距離を保持。大型二輪は余裕を長めに取る。e-Gov
- 危険回避以外の急ブレーキは禁止。下りは段階減速+エンジンブレーキ主体。教則
- 総括として安全運転義務。道路・交通・車両状況に応じ速度と方法を調整する。e-Gov
- 走行中の携帯電話「保持」は二輪で反則金15,000円・3点。時間圧でも絶対に持たない。警視庁点数
該当条文
| テーマ |
要旨 |
主な根拠 |
| 追越し禁止 |
曲がり角付近、上り坂の頂上付近、急な下り坂等では追越しをしてはならない。 |
道路交通法 第30条(追越し禁止の場所)e-Gov |
| 徐行の定義 |
徐行とは「直ちに停止できる速度」で進行すること。 |
道路交通法 第2条(定義)・第42条(徐行)e-Gov |
| 徐行義務 |
上り坂の頂上付近、勾配の急な下り坂などは徐行対象。 |
道路交通法 第42条e-Gov |
| 車間距離保持 |
前車の速度等に応じ、追突回避に必要な距離を保持。 |
道路交通法 第26条e-Gov |
| 急ブレーキ禁止 |
危険防止のやむを得ない場合を除き急ブレーキは禁止。 |
道路交通法 第24条e-Gov |
| 安全運転義務 |
状況に応じた速度・方法で、他人に危害を及ぼさない運転を行う。 |
道路交通法 第70条e-Gov |
| 下り坂の運転要領 |
早めの減速、適切なブレーキ配分、エンジンブレーキ活用。 |
交通の方法に関する教則(坂道・二輪)教則 |
罰則・リスク(代表例)
| 行為 |
典型的な法令・枠組み |
反則金の目安/点数(代表値) |
| 追越し禁止場所での追越し |
道路交通法 第30条(反則通告制度) |
二輪 7,000円・2点。警視庁点数 |
| 徐行義務違反(頂上・急な下り等) |
道路交通法 第42条(反則通告制度) |
二輪 6,000円・2点。警視庁点数 |
| 車間距離不保持(一般道) |
道路交通法 第26条(反則通告制度) |
二輪 6,000円・1点。高速は二輪 7,000円・2点。警視庁点数 |
| 急ブレーキ禁止 |
道路交通法 第24条(反則通告制度) |
二輪 6,000円・2点。警視庁点数 |
| 安全運転義務違反 |
道路交通法 第70条(反則通告制度) |
二輪 7,000円・2点。事故態様で刑事手続の可能性。警視庁点数 |
| 携帯電話の保持 |
道路交通法 第71条5の5(携帯電話使用等) |
二輪 15,000円・3点。警視庁点数 |
| 速度超過の例(一般道15~19km/h) |
道路交通法 第22条関係 |
二輪 9,000円・1点(超過幅で加重)。警視庁点数 |
実際にあった事例
| 状況 |
経過 |
違反 |
その他 |
| 連続カーブの下り坂で大型二輪が転倒し対向車と衝突(高知) |
下り坂カーブで転倒後、対向車線へ滑走し乗用車と衝突。運転者死亡。 |
報道段階で特定なし(徐行・安全運転義務が焦点)。 |
片側1車線の連続カーブ区間。さんさんテレビ |
| カーブ続く下り坂で停止車列に二輪が追突(山梨) |
規制で生じた停止車列の最後尾に追突し多重事故。 |
報道段階で特定なし(車間距離・減速不足が焦点)。 |
下り坂+カーブの複合リスク。TBS NEWS DIG |
出典
- e-Gov法令検索「道路交通法」(第2条・第24条・第26条・第30条・第42条・第70条)e-Gov
- 国家公安委員会告示「交通の方法に関する教則」教則
- 警視庁「反則行為の種別及び反則金一覧表」警視庁/「交通違反の点数一覧表」点数
- 事故報道:TBS NEWS DIG(山梨・下り坂の多重事故ほか)TBS NEWS DIG/さんさんテレビ(高知・下り坂カーブ事故)さんさんテレビ
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