商業地は出入口と歩行者が多く、原付は見落とされやすい交通主体です。
法定速度30km/hの遵守、横断歩道手前の減速と一時停止、状況に応じた二段階右折、車道の左側走行が基礎です。加えて、店舗駐車場の右折車や歩行者へ余裕を持った間合いを確保することが事故回避の主因になります。
以下に法令とリスク、実例を整理しました。
要点
- 法定速度は原付30km/h。標識指定があればその速度に従う。(e-Gov)
- 横断歩道は歩行者優先。接近時は停止可能速度、横断者がいれば一時停止。(npa.go.jp)
- 原付は片側3車線以上や標識指定で二段階右折が必要。(JAF(日本自動車連盟))
- 車道は左側部分を通行。車両通行帯が無い道路は左側端寄りを基本。(e-Gov)
- 商業施設出入口付近は右折車の安全不確認が多発。速度を落として側方間隔と視認を優先。(TBS NEWS DIG)
- 生活道路の速度規制やゾーン30等の区域指定がある場合は標識に従う。(警視庁)
該当条文
| テーマ | 要旨 | 主な根拠 |
|---|---|---|
| 最高速度 | 原付の法定速度は30km/h。標識指定があればその速度。 | 道路交通法施行令 別表・関連規定 (e-Gov) |
| 歩行者優先 | 横断歩道等で歩行者等の通行を妨げない。接近時は停止可能速度。 | 道路交通法38条、警察庁解説 (npa.go.jp) |
| 通行区分 | 車両は道路の左側部分を通行。状況により左側端寄り。 | 道路交通法17条 (e-Gov) |
| 右折方法 | 原付は片側3車線以上や標識「原動機付自転車の右折方法」で二段階右折。 | 道路標識令 別表(標識327-8)、JAF解説、道交法34条関係 (e-Gov) |
| 道路外出入 | 道路外施設への右左折時は他交通の正常な通行を妨げない義務。 | 道路交通法25条関係 (e-Gov) |
| 区域規制 | 生活道路やゾーン30等、区域指定の最高速度に従う。 | 警視庁「生活道路の法定速度」案内 (警視庁) |
罰則・リスク(代表例)
| 行為 | 典型的な法令・枠組み | 反則金の目安/刑事罰 |
|---|---|---|
| 速度超過 15km/h未満 | 速度違反(原付) | 6,000円。点数の付与あり。(警視庁) |
| 速度超過 15~20km/h未満 | 同上 | 7,000円。(警視庁) |
| 速度超過 20~25km/h未満 | 同上 | 10,000円。(警視庁) |
| 速度超過 25~30km/h未満 | 同上 | 12,000円。(警視庁) |
| 横断歩行者等妨害 | 道交法38条 | 6,000円。(警視庁) |
| 携帯電話使用等(保持) | 携帯電話保持等違反 | 12,000円。(警視庁) |
| 交差点右左折方法違反 | 道交法34条 | 3,000円。二段階右折不履行等。(警視庁) |
| 指定場所一時不停止等 | 一時停止 | 5,000円。(警視庁) |
実際にあった事例
| 状況 | 経過 | 違反 | その他 |
|---|---|---|---|
| 多賀城市の商業施設前、市道。片側1車線直線 | 店舗に入ろうと右折した軽乗用車が、対向直進の原付と衝突。原付運転者死亡。運転者は安全確認不十分を供述 | 右折車側の安全不確認。捜査は過失運転致傷で現行逮捕、後に致死切替の報。 | 原付は直進優先でも、商業地の出入口前接近時は減速と逃げ道確保が有効。(TBS NEWS DIG) |
出典
- e-Gov 法令検索「道路交通法」「道路交通法施行令」「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」(e-Gov)
- 警察庁「横断歩道は歩行者優先です」(npa.go.jp)
- 警視庁「生活道路における法定速度について」(警視庁)
- 警視庁「反則行為の種別及び反則金一覧表」(警視庁)
- JAF「原付の右折方法 Q&A」(JAF(日本自動車連盟))
- 宮城県内報道各社の事故報道(多賀城市 高橋 商業施設前 原付と右折車の衝突)(TBS NEWS DIG)

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